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川底から鐘が鳴る沈んだ大伽藍

所在地秋田県大仙市花館松山(洪福寺淵)
年代不明
登場徐福、船の者たち
出典東北怪談の旅

どんな伝承か

これも秋田の仙北郡花館の対岸の鶴羽形城に関わる話である。この城跡には洪福寺大明神と刻んだ石標がひとつある。洪福寺はそのむかし建立された寺の名で、鶴羽形城の城主安倍氏の菩提所であった。そこには蓮華台という池があり、この泉から噴き出る水を飲む者は不老不死になるといわれていた。不老不死の薬を求めて日本にきた秦の徐福も、蓮華台の霊泉の話を耳にしてこの羽後国まで足を伸ばし、しばらく逗留したという。洪福寺の大伽藍はある年の六月の大地震で御物川に陥没し、沈んだ跡は淵となった。この淵の上を船が通ると底の方から鐘の音がきこえ、それを耳にすると船は底に曳かれて沈んでしまう。そのために岸の上に石標を立てたのである。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

東北怪談の旅(山田野理夫・1974年(昭和49年))

『東北怪談の旅』は、山田野理夫が昭和四十九年に編んだ東北地方の怪談集である。青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島の六県に伝わる妖怪や幽霊の話、飢饉と間引にまつわる話、江戸時代の奇談などを、一番から一六三番までの短い話として収める。各話の末尾に県名を記し、恐山や飢饉の記録にふれて東北の怪談と怨念を結びつけるまえがきと、怪談観や霊能者をめぐる回想を記したあとがきを付す。

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