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夏の夜空を渡った金色の光の列

所在地島根県松江市
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵

どんな伝承か

文久年間、著者の父が十一、二歳のころの夏の夜、母と庭の涼み台に座っていると、月のない星のさえた空の西北に、不思議な形の美しい光るものが現れた。はがきほどの大きさの強い金色の長方形が八、九個、菱形にずれながら連なり、全体の長さは目で見て三、四尺もあった。それは東北から西南へ飛んで、屋敷の竹林の陰に隠れた。母は、どこかの金の精が飛び出したのではないかと、現れた方角の金持ちの家を思い巡らしたという。その方角には、昔から日本海を行く船乗りに金を蔵する山と見られてきた朝日山がある。

原典より

強烈な黄金色をした端書大の長方形のものが八九個ばかり、菱形に連續し(分銅繋ぎに交互に喰違ひ)總躰の長さが、目通り三四尺、天度で二十度内外もあり、實に華やかな美觀物であつた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談)

『幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵』は、岡田蒼溟による霊怪の事例集である。祟る石、出雲の瀧姫行者、神西湖の妖怪、但馬の抜け首、黄金の精、海の牛鬼、天狗などの怪異を、著者自身の見聞や知人の談話、古い文書からの移載によって集め、明治・大正期の出雲や松江周辺の事例を多く含む。項目によっては【解題】や註を添え、事例の後に「第二編」と附録の「天狗考」を続け、巻末の「解説の欄」で生霊・疫神・物体の飛来などを心霊研究の立場から論じる。

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