空襲除けの小豆飯を告げた件
どんな伝承か
第二次大戦中、神戸地方で件が生まれ、その話を聞いた者が三日以内に小豆飯かオハギを食べれば空襲の被害を免れる、という噂が流れたという。流言蜚語の取り締まりにあたった憲兵隊の資料「三月中ニ於ケル造言飛語」に、松山市在住の職工が町中で耳にして知人に漏らしたものとして記録されている。当時、神戸一中の生徒として勤労動員に出ていた小松左京も同種の噂を耳にしており、ある屋敷で洗面器いっぱいの雑炊を置いておくと後に血染めの包帯が残っていたという話や、戦後に芦屋で件が生まれ、その家は大空襲でも無事に残ったという話を聞かされたと語っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪伝説奇聞(東雅夫・2005年(平成17年))
『妖怪伝説奇聞』は、東雅夫が二〇〇五年に学習研究社から刊行した妖怪伝承地の探訪記である。稲生物怪録の木槌、クダン、牛鬼、塵輪、ナメラスジ、八幡の藪知らず、鬼の骨、蛇骨、鍋島の怪猫、児啼爺などを追い、中国・四国・九州ほか各地の寺社や旧家を訪ねて遺物と伝承を確かめる。月刊誌「ムー」の連載「日本伝説紀行」の十二章を三つのカラーグラビアで区切り、巻末に草双紙『鍋島猫騒動』の復刻を添える。