壁に立つ黒い影の人
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どんな伝承か
或る夜、家の人が集まって話をしていると、そのうちの一人が立って次の間を通りかかり、壁に人が立っているのを見た。黒い影のような人で、どちらを向いているのか一向に分からず、ただぼうっと黒い影のようであったが、衣服の縞ははっきり見えた。不思議に思って手で壁をさすってみたが何もなく、その影が自分の手に映った。同じような話がもう一つある。或る人が夜更けて家へ帰り、月夜に入口の戸を開けると、敷居のところに黒い影のような人が突っ立っていた。手でなでても何もなく、やはり衣服の縞がはっきり見えていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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