出張先のD病院
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どんな伝承か
昭和四十年頃、福岡県久留米市のD病院に出張で泊まった夜のこと。当直室が別棟で遠いため、三階特別室の空きに泊まった。草木も眠る丑三つの刻、左手の壁から皺だらけの小豆色に干からびた老人の右肩口と腕がにゅうっと出て、首にがっきと巻きついてぐいぐいと締めにかかった。名状し難い悪寒と恐怖で体が動かず声も出ない。不動真言と念仏を唱えるとようやく手が緩んだが、まどろむとまた繰り返され、三度首を締められた。婦長に訴えると、隣室で肺癌の老人が酸素ボンベを抱えて死んだのだと蒼くなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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久留米市の伝承
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