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棟割長屋を毎夜通る草履の音

所在地東京都荒川区日暮里
年代現代
登場赤羽末吉
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

大正の初め、語り手が小学一年生のころの話。伯母が持つ棟割長屋の差配を母がしていた。隣はしじみ売り、その隣は飾り職人、向かいは羽子板の押絵職人と、貧しい住人ばかりで、差配役の一家も父に定職がなく暮らしは苦しかった。長屋の奥の端に住む酒飲みの男が、病んだ妻を医者にも見せず、死ぬと空樽に入れて荷車で焼き場へ運んだ。やがて残された幼子二人が夜ごと母ちゃんが来たと騒ぎ、家の前の通りをちびた草履を引きずる音が毎晩過ぎるようになった。近所で僧を招き供養すると、音は止んだ。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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