浄閑寺に投げ込まれた遊女おけい
どんな伝承か
新吉原に売られた遊女たちは大門の外へ出ることも許されず、病めば日陰の一室に押し込められた。上州生まれのおけいもその一人で、まだ十四、五で客を取らされ、血を吐いて地獄部屋へ移された。目はすでに見えなくなっていたが、観音が助けに来てくれると信じていた。夜更け、男衆はまだ息のあるおけいを戸板に乗せ、裏口から運び出して浄閑寺の投げ込み墓へ置いた。穴には白骨と死骸が折り重なっていた。哀れんだ男衆は、ほかの墓に供えられていた花を一輪、その胸元へそっと添えてやったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私は幽霊を見た(東雅夫(編者)・昭和中期~後期(推定1970年代~1980年代))
私は幽霊を見た=怖い怪異体験(東雅夫編)/人魂・鬼火・狐火/機関車・電車の怪/各地の幽霊目撃談/不気味な怪音と怪異