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歩き出した八人の位牌と木塚明神

所在地高知県高知市木塚(木塚明神)
年代江戸〜近代
登場長宗我部元親、吉良親実、領主、祭られた怨霊
出典日本の怪談

どんな伝承か

八人御先の噂は元親の耳にも入り、城中にまで火の玉が飛んで、発狂する者も病む者も出た。元親は城下の寺に祈禱を命じ、寺では八人の位牌を拵えて本堂の台に据え、数十人の僧が読経した。すると台の上の位牌が動き出し、親実の位牌を先頭に順々に落ちて列を作り、本堂を出て往って消え、空の方で数人の笑う声がした。国中の寺へ命じた二日三夜の大供養では、読経する僧の首が皆右へ捻じ向いて動かなくなった。困じた元親の前で近侍の少年が急に狂ったようになり、「我は左京之進殿の使者じゃ、左京を神にして祭るとなれば喜んで受けられる」と告げた。そこで木塚の親実の墓を改めて社とし、木塚明神として祭ったところ、怪異はようやく少なくなった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・1985年(昭和60年))

『日本の怪談』は、田中貢太郎の怪談を昭和四十五年桃源社刊『日本怪談全集』から抜き出した文庫本で、昭和六十年十二月に河出書房新社から発行された。「宝蔵の短刀」「八人みさきの話」など土佐の城下や村の話をはじめ、江戸・京・吉野などを舞台にした幽霊・狐狸・猿・魔物の話を、会話の多い語り口で収める。二十七篇の後に尾崎秀樹の解説を付し、高知に生まれた作者の生涯と怪談・妖異譚への傾倒をたどっている。

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