酸素の管が外れた夜の体外離脱
どんな伝承か
鹿児島県姶良郡のE・Dさんは、肺気腫による呼吸不全のため自宅で酸素治療を受けている。四年前の夜中、酸素吸入の管が鼻から外れてしまい、息ができずにもだえ苦しんだ。そのとき体から抜け出し、ベッドの端に立って、苦しむ自分の姿を眺めながら「ばかだな、管が外れているじゃないか」と思っていたという。体外離脱すると天井の隅から見下ろすのが普通だが、これはその例外である。
原典より
鹿児島県姶良郡のE・Dさんは、肺気腫による呼吸不全で在宅酸素治療中だが、四年前、夜中に、酸素吸入装置のカニューラ(チューブ)が外れて悶え苦しんだことがある。—— 臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。