松本藩の西洋術お札禁令
どんな伝承か
慶応三年、信州松本地方でも十一月初めに盛んにお札が降り、お蔭祭りが行われた。名古屋や京都、大坂などと同様に、松本藩もこれを取り締まる禁令を出し『このごろ諸地方へ神仏の御札が降るというが、これは全く不思議なことではなく、西洋の術によって子供でも吹き上げられる程度のことである。お札のような安いものが降ったからといって、決して祝ってはならない』という趣旨の布告を、下々にまで洩れなく申し伝えるよう命じた。
原典より
信州の松本地方は十一月の初めに盛んにお札が降り、お蔭祭りが行われたのでありますが、次のような禁令が、松本藩から出て居ります。—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。