栓をした瓶に色の違う神水
どんな伝承か
高野寿直の報告である。十四歳の頃、胃腸が悪く母がいろいろ手当をしてくれても治らなかった。当時一家は酒田に住んでいたが、ふと年恵の話を聞き、母は身を浄め物忌みを厳守して鶴岡八日町の長南家へ参り、例の神授の薬水を戴いて帰った。数回服用するうちに、慢性の胃病はすっかり全快したという。この神授の薬水は、こちらから瓶を持参し、栓をしたまま年恵に渡す。すると年恵は十本でも二十本でも神前に並べてしばらく祈願をする。それだけで一度に御神水が瓶の中に出現し、薬水の色は患者ごとに皆異なった。年恵は一人ずつ患者を呼んで瓶を渡し、心得などを詳しく話して聞かせたが、心掛けの悪い者には神水が下りなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)