祠に祀られて大人しくなった大戸の蜂須賀
どんな伝承か
『阿波名狸録』阿波郡の部の筆頭に挙げられる狸。蜂須賀は八幡町切幡八戸ノ藪にいて、普通は大戸の蜂須賀と呼ばれる。付近における狸族の頭梁で、眷属や子分が多数あった。いろいろなものに化け、また時として人に憑くので、土地の者は皆非常に恐れていたが、その後に祠を立てて祀ってやったところ、よほどおとなしくなった。この十年来は、この狸の話がなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
阿波の狸の話(笠井)
『阿波の狸の話』は、脇町の笠井という著者が、阿波国の各地に伝わる狸の話を集めて書いた本である。狸同士の化かし合い、狸使い、狸憑き、狸医者、狸を祀る祠などを題ごとに分け、郡村名や人名を挙げて、明治・大正の狸憑きの実話やお六つ大明神の信仰の様子も記す。後半に余材追録と、著者が萬福寺で狸に憑かれる人や住職と問答した記録を置き、巻末の「阿波名狸録」で名のある狸を徳島市と各郡の部に分けて並べる。