医師のいない島の八十人の巫女
どんな伝承か
伊豆七島では巫女を信じる者が多いが、なかでも八丈島の付属島である青島は、巫女の多さで名高いと井上円了は記す。この島には八十人ほどの巫女がおり、病気はすべて巫女に祈禱を行なわせる決まりになっていた。もっとも島には医師が一人もおらず、薬を売る店も一軒としてないため、巫女がその代用をしているのだと円了は伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・1916年(大正5年))
『迷信の諸相・宗教の真相』は、井上円了が大正五年に刊行した『迷信と宗教』を、新しい題を付け現代の表記に改めて翻刻した本である。琉球・伊豆七島・壱岐対馬から北海道まで、著者が各地を巡回して見聞した犬神・人狐・河童・狐憑きなどの迷信と、怪火・天狗・幽霊・鬼門・卜筮・家相・禁厭など全国共通の迷信を挙げる。迷信の利害と原因を論じたのち宗教の真相を説き、余論に妖怪学の短編、附録に幽霊鬼神と霊魂不滅をめぐる論を収める。