部下を救い溺死した二尉の稲村地蔵
どんな伝承か
徳島県阿波町の瀬詰橋のたもとに、稲村地蔵が建てられた。訓練の最中に部下を救おうとして溺れ死んだ自衛隊の稲村二尉を供養するためのものである。著者が一九五九年から一九六〇年の上半期までに知った、新たに造られた地蔵の一覧に含まれる例で、この時期の新しい地蔵はほとんどが交通事故や水難の死者を弔い、事故の防止を祈るために建てられていたという。
原典より
徳島県阿波町瀬詰橋ぎわ(稲村地蔵―訓練中に部下を救うため溺死した自衛隊の稲村二尉を供養―)。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。