生きた雨ガエル二百匹の結核療法
どんな伝承か
前年正月のこと、田辺市の紀南病院で肺結核と診断されていた三十二歳の女性が胸部の手術を受けたところ、乳房の中からマンソン弧虫という寄生虫が三匹も見つかった。彼女は二、三年前から結核と誤診され、民間療法として二ヵ月の間に生きた雨ガエルを二百匹も飲んでいたという。蛙の寄生虫が腸壁を破って乳房の皮下に巣食っていたもので、迷信めいた民間療法が思わぬ被害を招いた例として紹介されている。
原典より
このご婦人(三二)、二、三年前から肺結核と診断され、民間療法で、二ヵ月間になんと二○○匹もの生きた雨ガエルを飲んでいたという。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。