トップ > 山梨県の伝承 > 甲府市

疫神に退去を命じた甲府御役所の触れ書

所在地山梨県甲府市
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典厄除け――日本人の霊魂観

どんな伝承か

江戸時代の末に疫病がはやったとき、甲州では甲府の役所などから、民衆に薬の処方を知らせる触れ書とは別に、疫神そのものに宛てた触れ書が出された。安政五年八月付けのその触れ書は、天下の民はみな聖王の民であるから、汝疫神はつつしんですみやかに立ち去れ、去らなければ牛頭天王に申し上げて王の兵で征伐させる、という趣旨のものだった。著者は、汝疫神という呼びかけがなんともユーモラスだとし、疫病神の大御所である牛頭天王がここでは頼もしい助っ人になっていると述べている。

原典より

また、江戸末期の疫病流行時に、甲州では甲州御役所などから民衆宛の薬法を記した触れ書とは別に、疫神宛の触れ書が出されているのは興味深い。—— 厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))

『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に名著出版から刊行した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など人に災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と国学院大学民俗学研究会の採訪記録などの事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、年神とミタマの飯、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、うち四章は書き下ろしである。

種別から探す

疫神牛頭天王疫病

甲府市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『厄除け――日本人の霊魂観』の伝承