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鯉の腹合わせでヤドを引き継ぐ正月ビシャ

所在地千葉県佐倉市井野
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典厄除け――日本人の霊魂観

どんな伝承か

千葉県佐倉市の井野では、地区がひとつになって毎年一月二十日にオビシャを行い、これを正月ビシャと呼ぶ。家の順にモトヤドとウラヤドが決まり、モトヤドでは旦那衆が、ウラヤドでは女衆が飲食する。モトヤドの奥床には持ち回りの八社大神の掛軸を掛け、豊作を願って菓子を吊した大きな榊を立てる。洗米を敷いた盆に大根を据えて松竹梅を挿し、鶴と亀を置き、盃と二尾の鯉を背中合わせに供える。神職の祝詞のあと、前年と本年のヤドが盃を交わし、暴れる鯉を二人で腹合わせにするのが引き継ぎの山場である。以前は十一月十五日に当番だけが集う霜月ビシャもあったという。

原典より

そこで、前年と本年のヤドが飾り物の前に進み、盃を交わして鯉の腹合わせを行なう。—— 厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))

『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に名著出版から刊行した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など人に災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と国学院大学民俗学研究会の採訪記録などの事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、年神とミタマの飯、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、うち四章は書き下ろしである。

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