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釈迦に化けて正体を明かした狐

所在地岩手県遠野市
年代不明
登場小僧、狐
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

ある山寺に毎夜化け物が来て戸を叩き、和尚は夜になると震え上がっていた。小僧が不思議に思い、ある夜便所の窓から覗くと、狐が戸口にぴたりと身を寄せ、尻尾で戸を叩いていた。小僧はそっと戸際に忍び寄り、狐の張り付いている戸をいきなり引き開けた。不意をつかれた狐は中に飛び込み、戸を閉められて逃げ場を失うと、本堂の須弥壇に上ってお釈迦様に化けた。須弥壇の釈迦像が二体になり、どちらが本物か分からなくなったので、小僧は、うちのお釈迦様なら経をあげると大儀大儀と言うのだと言いながら盛んに経を読んだ。狐はつい釣り込まれて大儀大儀と言ってしまい、たちまち縄で縛り上げられたという。

原典より

狐は不意を食って中に飛び込むと小僧に戸を締められたので遁場を失って、本堂の須弥壇に上ってお釈迦様になった。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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