十円札が朴の葉に変わる帰り道
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どんな伝承か
遠野の八幡山の麓は、お初子という古狐が人を化かす場所として知られた。中学校からの帰りに武田という青年がここまで来ると、向こうから父親が来て、よい所で出会った、自分は病院へ回らねばならぬから町へ引き返して牛肉を一斤ほど買ってこいと言い、十円札を一枚手渡した。青年は晩の牛肉を楽しみに町へ走り戻り、一日市の牛肉屋で肉を切らせた。ところが手に汗ばむほど握りしめていた紙幣を出すと、それは一枚のただの朴の木の葉であった。これもお初子の手品であったという。
原典より
これも私の友人、武田君と云ふ人、中学校からの帰りに此所まで来ると、向ふから親父が来て、よい所で出会った。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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遠野市の伝承
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