豆の焦げ方で年を占うタクラベ
どんな伝承か
宮古の農村部には、その年の作物の豊凶や天候を占うタクラベという風習があった。田代では節分の豆を神に供えてしまっておき、旧一月一五日に炉の灰へ並べ、焼け具合で月ごとの天気を読む。津軽石でも小正月に大豆を炉端であぶり、割れずに黒くなれば雨年で凶作、すぐ割れて美しく焼ければ豊作とした。女遊戸ではゴマギを焼いて灰に置き、白くなれば雪が多く、黒ずめば雨や曇りが多いとした。漁村部にこうした占いはない。まじないは安産や交際円満を願うものから人を呪うものまであり、戦時中には蛇の殻を千人針に縫い込めば弾に当たらないという新しい呪いも生まれた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。