十三歳が舞った薬師の縁日の託宣
どんな伝承か
根井沢のイダッコイエーの二代目は、娘の勉強のためにと初代が自分では教えず、長沢で修行をさせた。そして一三歳になったとき、法の脇のお薬師様の縁日で湯立託宣をやらせた。我が家に寄っては気ままになるからと言われ、根井沢を通らずに大谷地を通り、金浜を抜けて法の脇へ行った。四月八日のお薬師様に来て、袴と千早と足袋をはき、笹を持ち、神楽衆の打つ太鼓にあわせて「高座が山も雲晴れて」と神子舞を舞った。そして日にちも、病気病難も、火事火難もみな託宣で語った。終わると津軽石の盛合さまの旦那様が、よくやったと反物をくれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。