客の家の火事を言い当てた神子
どんな伝承か
藤田リヨ神子は宮古市根市の生まれで、山野目マサキイダッコの弟子だった。昭和四九年一二月二一日に八三歳で世を去り、その日付で出雲大社教の国造千家尊祀から権大講義の位を贈られている。息子誠一郎の夫人によれば、たいそう流行った神子で、少ない日でも三、四人、たいていは十人ほどの客が列を作って順番を待っていたという。受験の合否を尋ねられれば大丈夫とかだめだとか言い切り、ある客には、おまえの家は今燃えていると告げた。帰ってみると本当に火事だったそうである。袴をはいた老人の霊が見えるとも語っていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。