刀で祈祷する父を持つ神子
どんな伝承か
佐々木春江神子は崎山村の中の浜で大正三年に生まれた。父は柔や刀を使った祈祷や病気直しもやっていて、その影響もあり、春江は他の神子と比べて多くの呪文や呪いの言葉を知っている。一三歳で扇田シノ師匠のもとへ弟子入りし、呪文や経文は書かされて覚え、それ以外は師匠のやるのを見て覚えた。丸二年修行し、ダイジユルシの前に真冬に三週間籠る前行を行った。行場には注連縄を張り、不動様の掛軸を掛け、金の弊束を置き、一日三度水垢離をとった。水垢離のあとは神に向かって豆を数えながら立ったり座ったりの礼拝を繰り返した。千早の背中の柄は孔雀で、父が繭をとって織ってくれたものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。