一週間泊まり込んで拝むイタコ
どんな伝承か
田代の君田に信夫セイというイタコがいた。昭和六三年に八〇歳くらいで亡くなっている。崎尾テツによれば、具合が悪いときに訪ねると拝んで語ってくれたという。昔は春に頼まれると一軒の家に一週間ほど泊まりこんで拝み、その家へ人々が聞きに集まった。このときにはホトケ様も降ろしたという。目の見えない人で、子供も夫もいなかった。宮古のイタコは神降ろしをしてからでないとホトケ降ろしができず、ホトケ降ろしは一週間の精進を経て行うものとされていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。