六部を地下牢で殺した集落の末路
どんな伝承か
群馬県富岡市に伝わる話。人里離れた山奥に、豊かに暮らす一つの部落があった。ある日、大金を持った六部が道に迷ってこの部落にたどり着き、一軒の家に一晩泊めてほしいと頼んだ。主人は快く迎え入れ、風呂と夕食を振る舞い、きれいな部屋に泊めた。だが六部が旅の疲れで眠りに落ちると、大きな音とともに床が反転し、六部は暗い地下牢のような穴に閉じ込められ、何日もかけて死んでしまった。部落の人々は六部の大金や着物を分け合い裕福になったが、その後、殺された者の祟りか、村人はみな気がふれて死に絶えたという。
原典より
世の中に今ほど人間がたくさん生まれてなかった昔、或る人里離れた山ん中にしちゃあ、とってもいいくらしをしていた一つの部落がありました。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。