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下男を毎夜うなさせた妻の生霊

所在地島根県松江市外中原町
登場千平、中村、当事者、魘される下男、旧藩士・家主
出典心霊不滅

どんな伝承か

七十年ほど前、松江の外中原に住む旧藩士中村家では、長屋に寝起きする下男の千平が毎晩ひどくうなされていた。主人の弟が闇夜に玄関先を横切る女の影を見て千平の情婦かと疑ったが、部屋には誰もいなかった。寝所を二階へ移してもうなされは止まない。ある夜、家の息子二人が庭で見張ると、東の竹藪の上から白い煙のようなものが唸りを上げて飛んで来て、千平の二階の窓へ吸い込まれ、やがてまた窓から出て東南へ去った。祈祷師に尋ねると茶町に住む千平の妻の呪いだと告げられ、須衛都久神社の荒神の祠から千平の年を書いた釘打ちの藁人形が見つかった。取り除くとうなされは止んだが、不貞を疑われて捨てられた妻の恨みだったという。

原典より

それに依て、茶町の須衛都人神社境内にある大松の下の荒神洞へ行つて捜して見ると、果して千平の歲名を書いた藁人形に大釘が數本打込んだ呪詛ものが發見されたので、之を取去ると、その後、千平の夜間のうなる魘れが已んだ。—— 心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

心霊不滅(岡田建文・岡田建文・心霊研究・1940年(昭和15年))

『心霊不滅』は、岡田建文が著し、昭和十五年に大阪の国民書院が発行した心霊研究書である。人の心霊は肉体の死後も存続するという立場から、神道の神霊の垂示を引きつつ、心霊の本質と「化精」、遠感と魂の遊離、生霊、二重体、交霊術と霊媒、霊感筆記、幽霊写真などの物理現象、幽霊の出現を論じる。序説と七章からなり、第三・四・五・七章に「例一」「例二」と番号を付けた事例を並べ、今昔物語の説話、江戸から昭和の国内の見聞、欧米の報告を挙げる。

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