一年生だけに見えた座敷ワラシ
どんな伝承か
佐々木喜善が『郷土研究』に寄せた報告による。明治四十三年の夏、七月ごろ、陸中閉伊郡土淵村の小学校に座敷ワラシが一人現れ、児童にまじって遊び戯れた。ただし姿が見えたのは尋常一年の子供たちだけで、小さい子が「そこにいる」「ここにいる」と指さしても、大人や年上の子には何も見えない。遠野町の小学校からも人が見に来たが、やはり見えたのは一年生だけだったという。ほとんど毎日のように現れたと記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。