黒馬アオに化けた狐と福徳長者
どんな伝承か
娘に化けて女郎屋へ百両で売られていた狐は、暮らしに疲れて男のもとへ戻り、最後にもう一度恩返しをしたいと申し出た。断る男をよそに狐は三度くるくる回ると黒い馬アオに姿を変えた。男はこの馬を遠くの長者のもとへ連れて行き百両で売った。馬は貴人を乗せて長い峠道を越えたが、頂上で疲れ果て倒れて死んでしまう。それでも男は富み、困窮する村人に施しをする福徳長者として一生を送ったと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。