竹で打たれて逃げる太鼓の男
どんな伝承か
神事のなかには、悪いものを懲らしめる仕草を演じるものが少なくない。美篶村川手の七月七日の祭りもその一つである。子どもたちが七夕竹を手に集まり、太鼓を打つ二人の男を真ん中に置いて円を作る。サンヨリコヨリと唱えながら竹を振り上げて回っていると、突然太鼓が激しく鳴る。それを合図に子どもたちは竹で男たちをめった打ちにし、男はすばやく逃げ出す。この一連の動きを数回くりかえすのだという。素朴な身ぶりに意味が加わり、演劇的な要素を強めた例とされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。