用水の分け方を映す四社の渡御
どんな伝承か
滋賀県蒲生郡馬淵村では、郷内四社の神輿が五月の祭りにレッケーズと称する芝地へ集まる。四社とは郷社と三つの村社で、この三つの村は渡御に際して「四分四分の二分」という通り方をする。楼門前には石が三個埋めてあり、通路は二条、二対一の比率になっていて、二の方が「四分」、一の方が「二分」に当たる。これは用水利用の区分をそのまま渡御に反映したものである。レッケーズとは王朝時代の列見場の制が宮座に模倣されたものであろうという。
原典より
滋賀県蒲生郡馬淵村(現・近江八幡市)では、郷内四社の神輿が五月の祭りにレッケーズと称する芝地に集まる。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。