漁業組合が営む川セガキ
どんな伝承か
千葉県の姉崎、現在の市原市姉崎の川岸では、八月十五日に川セガキが行われた。浜に塔婆を立て、漁業組合の人々が営むもので、海で死んだ者の霊を弔うものだという。著者は、施餓鬼といっても海岸など水辺で行われる浜セガキ・川セガキが各地にあることを挙げ、熱海では八月十七日に道路の真ん中へ壇を設け、寺院合同で浜セガキを行い、これは無縁仏または海上遭難の霊を慰めるためのものだと伝えられていることを併せて記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。