悪病の死者に甕をかぶせる納棺
どんな伝承か
特殊な病気で死んだ者の処理には変わった手続きが講じられる。癩など悪病で死んだ者には、納棺の際に鉢とか甕を頭にかぶせる風があると『荒沢の民俗』は伝える。何か世に禍することを恐れているらしい節があり、僧も頼まず、ごく近親だけでこっそり葬り、位牌も作らず、過去帳にも載せず、法事もいっさいしないという。三宅島でコレラや赤痢で死んだ人に限って甕に納めて葬るというのも同じ趣旨のものであろう。悪い病気で死んだ人を一般墓地から離れた奥の別の墓地へ葬るという風も、あちこちで聞かれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。