水道と赤痢と水神の罰
どんな伝承か
先年、神奈川県の秦野で簡易水道を作ったとき、赤痢がはやって大騒ぎになった。柳田らの目には、水道のできるのが遅すぎたためとしか見えなかったが、土地ではかえって、水道を作ったことが水神の御気に召さなかった罰だと解する人が多かったという。柳田は、昔もこうした解釈が行われ、水の神が恐ろしい面から疫病の神とも見られるようになったのではないかと推している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。