トップ > 長野県の伝承 > 岡谷市

坊主岩の草を馬が食わぬ魔物の匂い

所在地長野県岡谷市(坊主岩)
年代伝承
登場十兵衛、語り手、伝承者、平野村今井の草刈り・体験者
出典河童・天狗・妖怪――民俗随筆

どんな伝承か

いつのころか、信州の横川山の奥、五百倉沢の坊主岩のあたりには天狗が住むといわれ、誰も近づかないので草が伸び放題になっていた。平野村今井の十兵衛は、そこならよい草が思う存分刈れるといって仲間を二、三人誘い、岩の近くに小屋を掛けて草刈りに励んだ。二、三日すると、岩の辺りから怪しい鈴の音や半鐘、鶏の声まで聞こえるようになり、しだいに激しくなるので恐ろしくなって、刈った草を背負えるだけ背負って逃げ帰った。ところがその草を馬に与えても、匂いを嗅ぐだけで少しも食べない。馬には天狗のような魔物の匂いがわかるのだろうと里人は語り合った。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・1956年(昭和31年))

『河童・天狗・妖怪――民俗随筆』は、武田静澄が昭和三十一年に著した民俗随筆である。天狗と神かくし、河童、座敷わらし、山の神と山の妖怪、狐狸とつきもの、水辺や海の亡霊、死霊と御霊などをめぐる伝承を、『今昔物語』などの古典の説話と各地の民俗の事例から集めて語る。短い見出しを立てた小文を連ねる形をとり、神かくしにあう心理や幻覚、お化けの心理にも触れて、妖怪を信じる心のはたらきを考える。

種別から探す

天狗怪音草刈り

岡谷市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『河童・天狗・妖怪――民俗随筆』の伝承