母の幻に導かれた継子と靴
どんな伝承か
連れ子をして後妻に入った女がおり、自分の子を清子、先妻の子を澄子といった。澄子は器量も気立てもよいと評判で、殿様の召使を探す家来の耳に入ったが、継母は澄子を小屋に閉じ込め、清子の足を削って澄子の寸法の靴を履かせ、殿様のもとへ差し出した。気に入られず送り返された後、澄子が母の墓で泣くと母の幻が現れ、殿様はすべて承知だから真面目に働いていよと告げて消えた。やがて家来が訪れ、靴はぴたりと合い、澄子は奥方になったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。