囲い弾丸で仕留めた猫魔ヶ嶽の怪猫
どんな伝承か
志津の六蔵という猟師は鉄砲の腕が抜群であった。あるとき磐梯山へ狩りに行き、山中に野宿して翌日使う弾丸を作っていると、どこからか猫が入ってきて、作った弾丸に戯れていた。六蔵は気にもとめず七発を作り終えて寝込んだ。翌朝、大きな猫が向かってきたので狙いを定めて撃ったが、当たった様子がない。狙いは確かなのにひるむ気配もなく、続けて撃つこと七発、昨晩作った弾丸を撃ち尽くしたと思うと、大猫は真赤な口を開き、これ六蔵、弾丸はもうあるまいと言って飛びかかってきた。六蔵は猟師が必ず持っている最後の一発、囲い弾丸を込めて撃ち、危うくこれを退治した。その猫は猫魔ヶ嶽の怪猫であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説(猪苗代町(編)・猪苗代町史)
『猪苗代町史 第2集(民俗編)――昔話と伝説』は、猪苗代町の町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。町内の話者から聞いた方言まじりの昔話と、楊枝峠の力松、皿沼物語、木地小屋村の大蛇、大恩寺の化け灯篭、首なし地蔵、吾磐椅の鬼婆、磐梯明神など、町内の地名や寺社にまつわる伝説を載せる。昔話は動物昔話と本格昔話に分け、伝説の末尾に『新編会津風土記』『耶麻郡誌』などに載る伝説の題を挙げた伝説追補を付す。