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孝行娘が染めた大津東町の腹当

所在地滋賀県大津市(馬神社)
年代時代不明
登場孝行の馬子兄妹
出典民俗怪異篇

どんな伝承か

いつの頃かは分からない。大津の八丁に住む馬子が、長患いの親を貧しいなかで看病していたが、自分まで大病にかかり、一家の稼ぎが絶えた。そこで馬は人に貸し、妹が馬の腹当てを作って暮らしを支えた。娘の腹当てには黒地に赤で「大津東町」と染め抜いてあった。兄妹の孝行が評判を呼んで腹当ては奪い合うように売れ、街道の馬はみなこれを着けるようになり、着けた馬は不思議と災難を免れた。この娘を祀ったのが大津馬神社だという俗説もあるが、著者はこれを腹当ての起こりを語る話と見ている。

原典より

また不思議な事には、その腹當をしてゐる馬は、いろ/\と災難を免れた。—— 民俗怪異篇(磯清・磯清・民俗怪異) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

民俗怪異篇(磯清・磯清・民俗怪異)

『民俗怪異篇』は、磯清が著した民間の怪異をめぐる随筆集である。馬を襲う魔物ギバとその禁厭、阿波の首切れ馬「夜行さん」、姫路城の刑部姫や猪苗代城の亀姫などの城の怪、化け猫、灯火による占い、秩父三峰の狼の信仰と狼の怪、怪談を題材とする落語を取りあげ、各地の言い伝えや古い記録を引きながら語る。序に続いて「馬の災と馬の怪」「城の主」「猫」「灯の占」「狼の噂」「落語に存在する怪談」の六篇を置き、それぞれを小見出しの短い話に分ける。

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