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首なし行列をやり過ごした老女の一年後の死

所在地福井県福井市堂形(新橋)
年代四月二十四日
登場水野、姥が長く奉公した堂形の侍
出典民俗怪異篇

どんな伝承か

福井の城下の堂形に水野という侍がいて、その家に長く奉公した下女は、暇をもらった後も親しく出入りしていた。年老いて子だくさんの母となったこの女が、四月二十四日だと気づかずに旧主の家を訪ね、夕食の後に急に帰ると言い出した。帰り道、新橋の近くで首なし行列に出くわしたが、とっさに提灯を吹き消し、後ろ向きになってやり過ごした。翌日、子らに問われて禁じられた話をしてしまったが、その場では何事もなかった。ところが一年後の四月二十四日、ふらりと出かけた老母は戻らず、ある川に頭から突っ込んだ姿で見つかったという。

原典より

然し流石にそこは年の功、直ぐと提灯を吹消して後ろ向になつて行列をやりすごした。—— 民俗怪異篇(磯清・磯清・民俗怪異) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

民俗怪異篇(磯清・磯清・民俗怪異)

『民俗怪異篇』は、磯清が著した民間の怪異をめぐる随筆集である。馬を襲う魔物ギバとその禁厭、阿波の首切れ馬「夜行さん」、姫路城の刑部姫や猪苗代城の亀姫などの城の怪、化け猫、灯火による占い、秩父三峰の狼の信仰と狼の怪、怪談を題材とする落語を取りあげ、各地の言い伝えや古い記録を引きながら語る。序に続いて「馬の災と馬の怪」「城の主」「猫」「灯の占」「狼の噂」「落語に存在する怪談」の六篇を置き、それぞれを小見出しの短い話に分ける。

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