作り洞の伊豆山大権現
どんな伝承か
江戸時代、蜂屋の作り洞に住む服部次郎兵衛は、蜂屋村の米を江戸へ運ぶ宰領役を命じられ、桑名から船出した。伊豆の沖で嵐に見舞われ、船は大波にもまれて今にも沈みそうになった。次郎兵衛は激しい風雨の中で甲板に立ち、遠く伊豆山大権現に向かって船の無事を懸命に祈った。すると間もなく波はおさまり、船は無事江戸に着いた。役目を終えて帰郷した次郎兵衛は、命拾いのお礼として屋敷近くの山に伊豆山大権現を迎えて社を建てた。作り洞池の西にある伊豆神社がそれだという。
原典より
この願いが神に通じたのか、波は間もなく静まり船は無事に江戸に着くことができた。—— 美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史)
『美濃加茂市史 民俗編――伝説』は、美濃加茂市の市史民俗編のうち、第一三章「俗信」と、第一四章「伝説 昔話 世間話」の総説および第二節「伝説」を収めたものである。天候・農事・人事にかかわることわざと俗信、民間療法、樹木の禁忌を挙げたうえで、伊深・蜂屋・太田・三和など市内各地区に伝わる三度栗、龍宮さまの淵、火塚、山男、かぶと淵などの伝説六十四話を記す。昔話・世間話の節は含まず、伝説の多くは題に伝承地区の名を添える。