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虎狼より恐ろしいもると猿の短い尻尾

所在地長野県伊那市
年代伝承(口承)
登場荒井源左衛門、荒井源司、話者、採録者
出典長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚

どんな伝承か

山のふもとの古い家に住む爺婆は、ひどい雨漏りに悩んでいた。雨模様の晩、馬泥棒が軒の梁に潜み、山の虎も馬を狙って軒下にうずくまっていた。爺婆が虎狼より漏るのが恐ろしいと嘆くのを聞いた虎は、自分より怖いもるとは何者かとおびえ、雨が降り出して騒ぎになると逃げ出した。泥棒はそれを馬と思って背に飛び乗り、虎はもるに捕まったと必死に駆けた。夜明けに虎と気づいた泥棒は小さなお堂に隠れる。虎から話を聞いた猿が尻尾を差し入れて中を探ると泥棒につかまれ、もがくうちに尻尾がちぎれた。猿の顔と尻が赤く尻尾が短いのはそのためだという。

原典より

それで猿の顔と尻は今でも真赤で、尻尾は短いのだそうな。—— 長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚(上伊那誌編纂会・長野県上伊那誌) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚(上伊那誌編纂会・長野県上伊那誌)

『長野県上伊那誌 第5巻 民俗篇――昔話・妖怪譚』は、郡誌の第十章第一節「昔話 附妖怪譚」の冒頭部分を収める。序は、明治四十年の上伊那校長会の調査、荒井源司・宮下豊秀・有賀喜左衛門の採録、雑誌の所収分から百八十話を選んだと述べ、関敬吾編『日本昔話集成』に従う分類一覧に狐火・山姥・天狗などの妖怪譚の題も挙げる。本文は校長会報告の七話と伊那市手良で採られた五話の計十二話で、狐と狸の話、かちかち山、食わず女房、光前寺の犬の猿神退治などを含む。

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