早良親王の祟りと柏原山陵のモノノケ
どんな伝承か
桓武天皇の代、政争に絡んで皇太子早良親王が廃され、配所の淡路島に着く前に亡くなった。その後、新しい皇太子が長く病に苦しみ、皇太子妃が急に亡くなるなどの不幸が続いたため、すべては廃太子の霊の祟りと信じられ、親王に崇道天皇の号を贈り、さまざまな供養が営まれた。また桓武天皇の陵と定めた地が賀茂神社に近かったため、神の祟りで大井や比叡、小野、栗栖野の山々が焼けたとして、陵は山城国紀伊郡の柏原へ移された。のち仁明天皇のとき内裏にモノノケが現れ、占うとこの山陵の祟りと出たので、祈禱が行われたという。
原典より
親王は配所の淡路島に至らないうちに薨ぜられたがその後、新皇太子が長期にわたって病気に悩んだり、皇太子妃が急病で亡くなられたりした。—— 日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人物語5――秘められた世界(関敬吾(編)・日本人物語)
『日本人物語5――秘められた世界』は、暮らしの奥に秘められた信仰や伝承を扱った全集『日本人物語』の一巻である。境の神や通過儀礼を論じる序論に続き、入らず山や隠れ里、竜宮、平家谷、埋蔵金、生まれ代わり、あの世を見た話、魔法使いと犬神落とし、生霊、隠れキリシタンや隠し念仏などを、伝承と昭和三十年代までの新聞記事・見聞を織りまぜて述べる。序論「生活文化の秘密性――はじめに」の後、「奇蹟」「不気味な神々」などの区分の下に短い節を並べる。