犬の墓を暴いて幽霊と間違われる
どんな伝承か
若い上田喜三郎が園部で従兄の獣医井上のもとにいたころ、牧場の隣の禅寺の和尚が飼う洋犬ペスが、前足を引きずり苦しげに息をするようになった。井上は関節リウマチと診たが、喜三郎は心臓の糸状虫だと言い張った。数日後ペスは寺の床下で血を吐いて死に、和尚は墓地にていねいに葬った。喜三郎は夜更けに白衣を着て龕燈を下げ、死骸を掘り出して心臓を切り開き、自分の見立てどおりだと確かめて思わず顔をほころばせた。そのとき縁側で叫び声がした。便所に起きた和尚が、灯に照らされた白衣のにやけ顔を幽霊と思い込み、腰を抜かしていたのである。
原典より
ところが、その時刻に、寺の縁側の方向で異様なさけびと、何かがぶっ倒れる音がした。—— 亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界(加藤正民・たま出版・心霊/予言) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界(加藤正民・たま出版・心霊/予言)
『亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界』は、「天下の浪士」を名のる加藤正民が、出口ナオと出口王仁三郎、教団大本の歩みを心霊の立場からたどった論考である。ナオの神がかりと筆さき、王仁三郎の出現と高熊山の修業、『霊界物語』の口述、二度の大本事件、晩年の陶芸と死までを、筆さきや関係者の証言を引いて述べる。全編を通じて二人に現れた霊流を「A」「B」と呼び、大本の出来事が後の国の出来事を先取りした「型」を論じる。