小豆汁で正体を現した大鱈
どんな伝承か
漁師村に、おみつという美しい一人娘がいた。誰にもなびかなかった娘がいつからか元気をなくしたので、母が隣の婆に訳を聞かせた。娘は毎晩通ってくる男があるが、身体が冷たくて一向に温まらないと打ち明ける。婆の教えどおり小豆の煮汁で男の足を洗ってやると、男はその晩に具合が悪いと言って帰った。翌朝、浜には化け物のような大きな鱈が死んでおり、切り分けると馬で五駄分もあった。それでそこを五駄鱈村と呼ぶようになった。おみつは急に腹が痛み、盥いっぱいに鱈の子を産んで死んだという。
原典より
昔ね、ある漁師村に「おみつ、おみつ」て呼ばれでる、とってもきれいな娘いだそうだね。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。