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棺を吊り上げて恩を返した虎猫

所在地宮城県気仙沼市川原崎(宝鏡寺)
年代伝承(口承)
登場宝鏡寺の住職、虎猫
出典日本伝説大系 第2巻

どんな伝承か

宝鏡山にあった宝鏡寺の若い住職は、托鉢で得た物を貧しい家に惜しみなく分け、布施がなくとも葬式をしたので生き仏と慕われていた。ある冬の夕暮れ、凍え死にかけた子猫を拾って育てると、犬ほどもある大虎猫になった。七年後、虎猫は人の言葉で恩返しを申し出、長部の長者の葬式で棺をいがこいに吊り上げるから「トラヤァヤーカラヤー」と唱えよと告げる。住職が駆けつけて唱えると棺は静かに降り、名僧の噂が広まった。力尽きた虎猫は矢作の飯森沢に落ちて死に、その渕を猫渕と呼び、岸に猫渕神社が祀られたという。

原典より

<柳田―「猫薬師」>昔、宝鏡寺が宝鏡山にあったころ、その庵寺には若い住職が住んでいた。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。

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