未渡山の名を生んだ天の浮橋
どんな伝承か
未渡山という名の由来を『西備名区』は次のように伝える。伊邪那岐・伊邪那美の二神が比婆山に天降り、国土をお生みになったとき、女神の言葉が先立ったために御子がふさわしくなかった。そこで天の神に申して霊産を受けようと昇ろうとされる。比婆山から天へ通う浮橋は二条あり、雌雄の橋と呼んだ。伊邪那美の神が急いで雄橋を昇りかけると橋はたちまち崩れて東南へ倒れ、大きな山となった。これも女が男に先んじたことのよくない証だという。崩れて山となったのが未渡の七里山で、二神がまだ渡り得ぬうちに崩れたので未渡山と名づけたと伝える。のちに共に昇った橋も崩れて相渡の山となり、雄橋・雌橋は二条の橋の軸が落ちた跡だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。