一万橋を境に戦う源氏蛍と平家蛍
どんな伝承か
賀茂郡大和町の和木にある一万橋を境に、西側に平家蛍の一族、東側に源氏蛍の一族が棲み、毎年蛍合戦が繰り広げられたという。ある年、平家蛍の大将・平太蛍らは婆が淵の猿猴を招いて軍議を開き、源氏蛍の灯を消すにはうちわが良いと決め、猿猴が武士に化けて三原のうちわ屋で大量のうちわを買い集めた。源氏蛍側も水鉄砲で対抗し、五月十七日の宵、一万橋の上でうちわが合図に上がると、双方入り乱れての蛍合戦が始まったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。