投げられた峰が生んだ楯山
どんな伝承か
『勝見名跡誌』が里人の言い伝えとして記す。往古、鷲峰大明神と大山の智明権現は仲が悪く、たびたび神軍を交えた。はじめ権現に追い立てられた鷲峰の神は山に引きこもったが、怒って山の峰をつかみ虚空へ投げつけた。その神力に辟易した権現は大山へ軍を返し、二度と因幡へ攻めて来なかったという。投げられた峰は勝部谷の奥、田原谷村のあたりに落ちて一つの山となり、これを楯山と呼ぶ。大山の神を追い払って勝ったので、その地を勝部谷というのだと伝える。鷲峰の頂が平らなのは楯山を載せるほどであったからだともいい、神の打ち合った飛礫の石も所々に残るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。