女護ヶ島に通う年一度の南風
どんな伝承か
東京都八丈島に伝わる話。秦の始皇帝が徐福に命じて東海に仙丹を求めさせたところ、徐福は紀州の熊野に着き、供の女たちを八丈島へ、男たちを青ヶ島へ送った。男女がともに住むのは海神の怒りに触れるというので二つの島に分かれて暮らしたが、年に一度、南風の吹く日だけは男たちが八丈島へ渡ってきて夫婦の契りを結んだ。そして男の子が生まれれば青ヶ島へ送り、女の子が生まれればこの島に残したのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。