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棟木にされた高畑の古柳とお琴

所在地山梨県甲府市高畑町
年代伝承(口承)
登場お琴、武田信玄、善光寺本堂の建立者
出典日本伝説大系 第5巻

どんな伝承か

永禄年間、武田信玄が善光寺の本堂を建てたとき、二十五間の棟木に足る良材が甲斐信濃を探しても見つからなかった。そこで中郡筋高畑村にある数百年を経た古柳が選ばれる。隣里遠光寺の農家に、お琴という美しい娘がいた。夜ごと通ってくる男があり睦まじく二年を過ごしたが、ある夜、男は涙ながらに縁が尽きたと告げる。正体は高畑村の古柳の精で、明日棟木のために伐られるという。伐ったあと大勢で引いても動かぬときは、そなたが一声音頭を取れと言い残して消えた。翌日、数千人がかりでも柳は動かず、お琴が今様を唄うとたちまち動いて板垣の里へ着き、本堂は無事に成った。信玄はこの因縁を聞き、娘に厚く褒美を与えたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。

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