松明を振り回す乗本万燈の由来
どんな伝承か
舟着村(いま新城町)にも万燈山があり、旧盆十五日の夜に乗本万燈が行われる。小麦を五から八キロの束にし、二メートルほどの綱をつけた松明を作り、村の若者たちが年寄りを先頭に太鼓や笛で囃しながら数百メートルの行列を組んで山へ登る。山頂で秋葉神社からいただいた火を各自の松明に移し、掛け声とともに綱の端を握って頭上で振り回す勇壮な行事である。田畑の害虫を追う虫送りやうんか送りから始まったとも、近くの長篠古戦場の戦死者を供養するためとも言われ、昭和三十年に県の無形文化財に指定された。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
愛知県伝説集(福田祥男・1961年(昭和36年))
『愛知県伝説集』は、福田祥男が昭和三十六年に著した愛知県の伝説集である。尾張・三河の山や海、淵や池、地蔵と観音、石や塚、城跡、地名、動物と変化、植物、祟りと怨霊などにまつわる言い伝えを、原型に忠実に再現することをめざして平易な文で語り直し、話の末に郡市名を添える。山の伝説から其の他の伝説まで十五の部に分け、あとがきでは前年に出した『愛知県伝説集・虹と黒潮』を全面的に改稿し増補したと記す。